「春の」鳥コン試案

昨日は台風が来ていたので、早く帰って「鳥人間コンテスト」(以下鳥コン)を見ていた。この番組がなかったら、今細々と生き残っている「自分の手で飛行機を作る文化」は、とっくの昔になくなっていただろう。そういう意味では大変素晴らしい番組なんだけど、今まで何度も「来年の鳥コンはないかも」という危機的な状況はあった、らしい。

さて、3年ほど前、日大が琵琶湖縦断の大記録を達成したとき、雑誌の企画で日大に取材に行ったことがある。そのとき知ったのだけど、日大の鳥コンチームは「サークルであって部活動ではない」らしい。
つまり、大学から部費は出ていない。
どういうことかというと、部に昇格するためには、年に2回全国大会に出場することが条件だけど、そもそも鳥コンしか全国大会がないので(笑)部活動に昇格出来ない、と。
部費のもらえない彼らは、サークルに入ったら2年間はアルバイトで機体制作費をため、その間は先輩の機体の制作を手伝ってノウハウを蓄積し、その後自分たちで溜めた制作費で機体をつくるのだそうだ。大会常連の強豪チームでもこういう状況だから、他の大学のチームも、そんなに恵まれた状況でもないのだろう。でも、空に憧れる大学生は少なからずいて、機体をつくる子たちは全国に沢山いる。
(と、その割には大学のグライダー部は新人勧誘に苦労していたりもするらしいけど)

鳥コンの功績は先に書いたとおりだが、問題点もいくつかある。
例えば湖面10mからダイブする、というのは実はそう安全な事じゃなくて、実際何度かケガがあった、とか、なにぶんテレビなものでチームによっては背風スタートなどリスクのあるスタートもありがち、とか、湖面のプラットホーム製作などでかなり制作予算がかかっているので視聴率が低ければ翌年はない、とか、ウケを重視してあまり強度のない機体がぶっつけ本番で飛ぶことがある、とか。
昨日のオンエアでも、空中でぽっきり翼桁が折れる、という機体がいくつかあった(これはかなり危険)。
また、新興チームが鳥コンの機体をつくるのはなかなか難しい面もあったりする。
このへんは四戸さんのサイトに詳しい。
http://www.ac-olympos.com/report/rpt04.htm

まあいいや。問題点を挙げて批判したいわけじゃなくって、考えたいのはここから先のこと、
つまり高校野球の夏の大会とは別に、春の大会があるように、鳥コンとは別の大会があってもいいのではないか、ということ。そして、そのような別の大会があることによって、状況が活性化する可能性があるんじゃないか、とか思った次第。ロボコンだっていろんな大会があるしね。

ちょっと試案を思案してみる。
(1)年に2機作るのはキビシイので鳥コンに出場可能な機体を持ち込めるようなレギュレーションにしたほうがいい。
つまり、滑空機と人力機部門があるのだと思う。

(2)湖面ではなく、平坦な陸上で行う競技であること。
予算からも安全性からもそうするべき。滑空機はゴム索発航、人力機は地上からの離陸を行う。
ただ、長さ30m、高さ1m程度の段差のあるプラットホームはあったほうがいいかもしれない。
陸上で行うことから、競技の内容は滑空機は到達距離、人力機は150m先のゴールまでのタイム、とか。

(3)鳥コンの準備としても成立するようなものであるのが望ましい。
鳥コンのテストフライトとしても使えるようなコンテストだと、現在の鳥コンチームも参加しやすい。時期は琵琶湖の大会1ヶ月前、6月くらいがいいだろう。鳥コンは琵琶湖でやるので、実際は関東のチームが行くのが大変だったりもするから、場所は関東のほうでやるのが望ましいかな。

例えば場所は昨年テストフライトをおこなった「ふもとっぱら」で、時期は6月上旬(梅雨時期は実は風が弱くてTFには向いている)、優勝賞金は鳥コンと同じ100万円、大会の実況はインターネットで配信、とかでやってみるのはどうだろうか。小規模でやれば、たぶんかなりの低予算で大会を準備できるような気がするんだけど。

オープンスカイが終わったら、エピローグ的にやってみたい。
(そしてもちろん大会実行委員のくせに自分もM-02で参加するんですけどね)

ーー後日談ーー
mixiで同じ日記をあげたんですけど、鳥コン参加者から「鳥コン参加後、機体を修復して参加出来る10〜11月くらいがよい」との意見。最初は「鳥コン出すにも事前のテストフライト必要だろうし」と思っていたのだけど、レギュレーションが多少は違うだろうから改修時間を考えるとやっぱり秋ぐらいが現実的か。
なんにせよ、最初は滑空機のみの「プライマリー コンテスト」でもいいから、やってみたい気はする。
まあ、まずOpenSkyを一段落させないと、ですけど。

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