秋水と無重力体験

hachiya2006-09-01

ちょっと前になるのですが8/26土曜日に名古屋で無重力体験してきました。
これ。
http://www.das.co.jp/new_html/campaign/001.html
まず、前哨戦として金曜日に、同じ敷地にある三菱重工資料室をみせてもらいました。・・・とその前に敷地内を車で移動していたら、「あ、あそこの工場から子犬のような目でF2(かわいそうな*国産支援戦闘機)がのぞいてる!」「あそこにエンジンはずされたF-15が!」とミリタリーオタ要素のほとんどない自分にとってもなかなかすごい光景が展開していました。当然、防衛庁からのお達しで構内撮影厳禁なんで写真はなし。
「かわいそう」に関してはここ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/F-2_(支援戦闘機)

資料室でのお目当ては、国内ではここにしかないという秋水の展示でした。
ぽちゃっとした若草色のボディは、まるでアマガエルのようで、ぱっと見「かわいい〜」と思う外観なのですが、あの白いお腹には過酸化水素水(濃度80%)、翼に水化ヒドラジン(毒)が入っているかと思うと・・・乗りたくね〜。秋水は2〜3機作られたものの、最初のテストフライトで大破してしまい、その後実戦に投入される前に終戦となりました。あと、同じくドイツのロケット機、コメートでは事故時にパイロットがどろどろに溶けたりしたらしい・・・ぐへぇ。
それにしても、あんな簡単なコメートの図面1枚(これも展示してあった)から無尾翼機ロケットエンジンを11ヶ月で作るなんて、この人達はジオン公国並みの開発力です。
(そう言えば秋水ってジオングっぽいかもしれない・・・)
秋水とかこの資料館については、ここに詳しいです。ご興味のある人はどうぞ。
http://www.arakawas.sakura.ne.jp/backn006/syusui/syusui1.html
http://www2s.biglobe.ne.jp/~FlyWing/JapaneseTaillessPlane/JapaneseTaillessPlane.html

そして翌日土曜日は、いよいよ無重力体験。
晴れた、と思ったら局地的な豪雨がふったりして、やきもきする天気でした。
その間ブリーフィングを受けたり、当日実験機に使うMU-300の内部見学や解説をしてもらったり。
ちなみにMU-300は国産民間ジェット機で、おそらく国内で最後に設計・生産された機体です。
もし僕の機体が出来たら、この機体(1981年製造)以来の国産ジェット機となる(笑)・・はず。
MU-300の機体自体、一見普通ですが、フラップとスポイラーを兼ねた舵や、トリムタブが翼端にある、とか実はかなり変わった・・・もとい野心的な設計となっているようです。

ま、そんな感じで30万円(参加費)の元はある程度とった!と思ったあと、ついにメインディッシュの無重力です。12時頃に遠州灘沖に出て、会場で6回の放物線飛行。最初15秒ほどの2Gが来て、そのあと唐突に無重力がやってきます。 2Gが継続的にかかるのも、普段は味わえない体験なのですが、身体全体が重くなり、立ち上がるのさえ難しくなります。その間約15秒を耐えていると、ふいに身体が浮き上がってきます。

きた!無重力
なんか、思わず笑ってしまいました。(ムービー参照)
http://www.youtube.com/watch?v=dmzL6l5aCxY

文字通り脳みそも0mgです。
ちなみに一緒に体験したのは、画家のタカノ綾さんです。彼女もSF好きの人なので、トークショーで意気投合して今回の体験をすることになったのでした。
そうこうしているうちに、楽しい20秒はあっという間にすぎ、今度は1.5Gで再び床にねじ伏せられます。
今度は、実験ブースを明け渡して、僕らはパイロット側のシートに移動して、着座で実験。
2回目は持ち込んだモモとコモモ(モモ便限定版のぬいぐるみ)を浮かばせてきました。

http://www.youtube.com/watch?v=BAXz9qLxILM

6回のテスト予定のあと、もう1〜2回の予定もあったのですが、参加者の一人、芳賀さんがギブアップしたので帰還します。芳賀さんは無重力中でのスイカの早食い(笑)に挑戦していたので、それが原因かと。ちなみにスイカは食べられなかったそうです。無重力中だと、食べ物をかんで、飲み込んで、という当たり前のことが出来なくなるみたいです。
(ゆっくり食べれば出来ると思うんだけど、早食いは無理とのこと。)。それにしてもタカノさんが一番元気だったのにびっくりした。タカノさんはジェットコースターとか苦手らしいんですけど。

無重力体験は疲れる、と聞きましたが、こんな感じで2Gと0Gが交互にくるので、そりゃ疲れて当然ですわ。それも、なんか内蔵とか脳が疲れる感じです。温泉に入って湯当たりしたような、あるいはサウナにすごい長い時間入ったみたいな。
でも、他に例えようのない体験であることも事実で。

ということで少々お高いですが、宇宙を目指す人は体験していても損はない、と思います。

ちなみに、全部終わったあと、祝宴があったのですが、そこではシャンパンにお寿司が振る舞われました。
豪華な巻きずしは「イチロー巻き」らしいのですが(イチローの出身地がどうやらこの辺らしい)、無重力体験で疲れた我々はほとんど食べられませんでした。