初ソロとハモ

69でロックの日?天候はくもりだったのだが、午後1時半頃、山にかかっていたガスも上がってきたので、ソロフライト。人生における初ソロフライトです。
タンデムの機体に二人で乗るのと、軽い機体に一人で乗るのはずいぶん違うだろう、と思ってやや緊張。ただ、タンデムでもう何本も飛んでいるので、テイクオフに関してそんなに恐怖心はなかった。
風が落ち着くのをまって、ランチャー台を全力で駆け下りる。
やはり、ソロで飛ぶのはタンデムで飛ぶのと意識が違う。説明するのも難しいのだが、例えばバイクの後部シートに乗ってるのと、自分一人でバイクに乗ってるくらいの気持ちの違いです。とにかく気持ちがいい。でも、はじめての機体ではじめてのソロなので、まずはゆっくり操作してみる。最初は軽く左右に振り、ニュートラル位置を確認するために手を離す。
その次に360度の旋回。最後にあて舵を当てるのを忘れずに。
そのあとスタンドアップ姿勢も試してみる。思ったほどタンデム機との差はない。
旋回を二回して高度処理し、最後にファイナルアプローチ。ターゲットに向けて機種を向けて・・・
と思ったら、最後のターンを急にしすぎたせいで、高度がぐんと下がっている。
まずい、と思って速度を付けようとしたのがさらにまずかった。
ああ、田んぼが見えてる。ランディング場には届かない、と思った瞬間にはもう田んぼの中に頭が入っていた。ごぼごぼごぼ。
初ソロは田んぼ沈でした。
途中まではほとんど順調だっただけに悔しい、というかあまりに見事に田んぼに墜ちたのと、全身泥まみれでなさけなくて気持ちが悪いのと、機体を運んでもらっている桂さんに申し訳ないのと、機体が壊れたこと(コントロールバーのアップライトが曲がった)、田植えしたばかりの田んぼに墜ちてしまった申し訳なさ(とはいえ、田んぼに墜ちたからこそ全くケガがなかったとも言えるのだが)、とかたくさんのことで頭がいっぱいになる。あと、どうせ失敗するんだったら、誰かに撮影してもらっておけばまだおいしかったのに、みたいな芸人根性も少々。
今回は下着以外に着替えを持っていなかったので、服ごとシャワーを浴びた後も濡れた服を着てすごす。
ポケットの中の財布はどろどろで、携帯にいたってはその後壊れてしまった。
その間、桂さんは僕の機体を洗ってくれていた。おまけに田んぼの修正までやってもらっていて、桂さんの足はずいぶん虫に刺されていた。その後、一緒に農家に謝りにいくところまで桂さんに同行してもらう。その間「しょうがないな〜」とか「なんで自分がこんなことやらなきゃならんのだ」というような雰囲気が全くなく、もう本当に、なんてすごい先生なんだろう、と思う。今の自分でここまで出来るだろうか。本当にすばらしい人だ。
その後、つくば市に帰ってレンタカーを返しバスで東京に帰る。この日、漫画家さんたちとハモしゃぶを食べる会というのがあって、すでにずいぶん遅刻しているのだが、今日の出来事として、墜落したまま家でゴハンというのも悲しいので、せめてネタにすべく自宅でシャワーを浴びて着替えた後、妻とタクシーで代々木上原まで行く。
ハモしゃぶもおいしかったし、寺田克也さんの話も面白かったし、まあ、ネタにはなったし、でトータルでは本当にいろんなことがあった日になった。