テストフライト公開の理由とか。

今回のテストフライトを公開しようと思った理由を、ここに書いておきます。
当初は、この機体のテストフライトを一般公開するつもりはありませんでした。
ジェットエンジンを積んだあと、最後のテストフライトを映像で記録し、その映像だけを公開するつもりでした。
しかし、テストフライトでゴム索発航を何回か繰り返し、そのテストを友人・知人に手伝ってもらっているうちに、考えが変わってきました。

「まだ開発の途中だけど、やっぱり本当に飛んでいるところを見てもらおう」と。
テスト中のこの機体は、完成してジェットエンジンで飛ぶ、その機体とはまた別種の美しさを持っているようにも思うのです。

なにかが立ち上がろうとしているそのときが、だいたい一番面白く、エキサイティングだったりします。本当に飛ぶかどうかわからない、と思われているうちに、本当に飛んでいるとこを生で見てもらいたい、とまず思いました。
それに、エンジンがついていない機体には、風切り音だけ残して静かに飛ぶ美しさもあります。
そしてなにより、参加してくださっている皆さんと一緒に、のっぱらでゴムを牽いて機体を飛ばす、その行為自体に僕はとても美しいものを感じているのです。

僕は美術家なので・・・「美しいもの」を自分でも見たいし、「美しいもの」をお客さんにも見せたいといつも考えています。
今まで愛知万博とかキリンプラザ大阪とかで展示していて、それはそれで自分なりに精一杯やってはいたのですが、一方でこういう博物館的な展示に「なんか違う」「こんなもんじゃないはず」とか思うことがありました。
思うに・・・鳥が一番美しいのは飛んでいる時であるように、やっぱり飛行機も飛んでいるときが一番美しいのだと思います。
実際いままで何回かゴム索でのテストフライトをやったのですが、「やはり飛んでいる時がこの機体は一番美しいな〜」という風に毎回思っていました。またテストに参加してくれた友人が、多くの力仕事にもかかわらず、飛んでいるところを見て喜んでくれているのをみて、やはり一度このタイミングでお客さんとこの感じをシェアしたい、と決めたのです。
・・・といいつつ、リハーサルを別の日にするんですけどね。

そして同時に公開テストできるのもひょっとしたらこれが最後かもしれない、というのもあります。この9月のテストのあと、機体はエンジン付きに改造され、今後のテストは当面は非公開で行います。そして完成したエンジン付き機のテストフライトを公開するかどうかは現時点では未定です。ということで、最後のバンジー発航テストは公開にしてみようと判断したのでした。

ただ、公開でテストをするとなると、なかなか適地が見つけられなくて、場所探しに結構時間がかかったのですが、朝霧高原は比較的都心に近く、また場所としてもとても美しい場所なので、今回朝霧高原でのテストフライトを決定しました。
念のために付け加えると、今回このテストフライトを公開しようとしているのはこれで赤字解消!とかそういうものでは全くないです(笑)。公開する時点で、よりお金かかってきますし。ただ、多少赤字が出ても、やっぱり僕が一番美しいと思うシーンをぜひお客さんに直接見ていただきたいと、そう思ったのです。

ということで興味がある方で、もしもタイミングが合いましたら、ぜひどうぞ。
ちなみに下記のバスツアーに参加出来なくても、当日ふもとっぱらに来れば見れますので。
(ただし、ふもとっぱらの入場料は必要です)