鼻血が出た

ここ数日、ガンダム展@上野の森美術館のための変更をしてました。
http://plusd.itmedia.co.jp/games/articles/0511/06/news001.html
もともとは来年横浜での展示が予定されていたんで、改良はそこでやればいいや〜とかのんびり構えていたのですが、急に決まった展覧会なものの、やっぱり東京でやるからには覚悟決めるぜ〜とか思っていくつかの改良を決行。
ちなみに追加作業は以下のような感じ。
(以下、重大なネタバレや興ざめな蛇足が含まれる可能性があります。ご注意を)

(1)あの作品は、目隠しして歩いていた本人は、実際にどういう挙動をしていたかがわからない・・・つまりやっている本人より、むしろ周りで見ている人の方が面白い、というわりと大きな欠点がありました。それを少しでも解消するために、「3分前のその場の映像を映しているモニタ」を設置。
最初はパソコンでソフト書いてそれ使う案とかもあったのですが、よく考えたらHDレコーダーとモニタとオペレーションで簡単に実現出来ることに気づいたので、それを設置しました。ちなみにこのHDレコーダーはビッグカメラの購入代金無料プレゼントでゲットしたもの。 (前の日記参照〜)

(2)大阪のときは、意志を送信する方の補助装置として、ジャイロを使っていました。つまり、微妙な頭の動きを拾っていたのですが、これを生体電位を取るやり方(EOG方式)に変更しました。
えーと、どういうことが起きるかというと、「意志を送信する立場の人が相手に行って欲しい方向に目を動かすと、その相手の前庭器官(三半規管+耳石)に働きかけ、歩行者本人は無意識のうちに歩行方向が変わる」という現象が起きます。ただ、他の人の誘導に対しての心理的な抵抗や、重心がぐらつく恐怖心とかの影響もあるし、実際二人の相性とかタイミングやディレイ、皮膚の水分保有量とかも関係するんですけどね。
補足としての自分用メモ:前庭器官の役割はこのへんに詳しいっす。
http://www.isas.ac.jp/ISASnews/No.191/ken-kyu.html
しかし、コレ見ていると「人間が宇宙に進出」「前庭器官周辺の感覚が変化」「ミノフスキー粒子の密度が濃い環境下で、相手の前庭器官をコントロールする方法が偶然出現する」とか、リアリティが出てくる気がしました。

(3)同時に、モニタリングの装置をトランスミッタ+ヘッドマウントディスプレイ〜これは視聴覚交換マシンやワールドシステム以降、割とよく使うお得意の手法なんですが〜から、固定カメラ+不可視モニタ方式(最近の自分の作品に多い)に変更。これは前述のEOGとの相性とか、ノイズの少なさで決めました。このおかげですんげえ細かい半田付けをするハメに。20mmの間に19本のワイヤーを半田付けしたんですが、手持ちに細い線がなかったこともあり、このへんが自分の限界かも。

・・・・などが大きな変更なんですが、このためにいろいろ準備したり、買い物にいったり、無駄なモノも含めていっぱい手持ちで運んだり、そのへんで時間と体力はかなり使いました。まあ、そうは言っても、実際のところ見ている人にはあまり関係のないことですが。

ちなみに今回、土日祝日のみの設定になったのは、単純にアテンダントの人・・・もとい、フラナガン機関臨時職員のバイト代に回す予算の関係です。つまり、そのへんの予算が少し足りなかった、と。例えば自分主導だったらボランティアスタッフを募るとかでなんとかやりくりする、とかもやるんだけど、このへんは今回主催者が決める事になっていたので僕は手出しできませんでした。本当は平日もせめて1日はやりたかったんですけどね。フラナガン機関も経費削減で大変なのです。

なお、体験時間は現在
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11時 1次試験開始(ESPカードマシンによる検査)
12時 2次試験開始〜13時まで

14時 1次試験開始(ESPカードマシンによる検査)
15時 2次試験開始〜16時まで
16時 1次試験開始(ESPカードマシンによる検査)
17時 2次試験開始〜18時で終了
ーーーーーー
となっております。

・・・とか、さんざん試行錯誤していて、ようやく日曜日の初日を終えて8時頃帰宅しようと退館準備してたら鼻血が出ました。
なんにもしてないのに鼻血が出るのはだいたい体力の限界(HP=7くらいになって、文字の色が黄色くなっている状態)の印なので、多少やばくなっていたようです。途中、敵に会わないかとひやひやしながら帰宅しました。

あと、富野さんの作品が今回出てまして、それに対するキュレーター東谷さんのmixi日記に興味深い指摘・・・があったのですが、現在削除されているようです。
ちょいヒントとしては、
上野の森美術館って、そういうゆかりのとこだったんですね。
・小さなガンダムに文句言うんでなく、あれを自分が上から見ると、と仮定してみましょう。

とこのへんでしょうか。
ちなみに、ぼくらも、多少はポリティカルな設定はあります。
このへんに少し出てるけど。
http://www.gundam-exhibition.jp/a_info/a_info_07.html
兵士の生存率を上げるために生まれた「サイココミュニケータシステム」も、後には武器である「サイコミュ」になるわけです。

最近思うのは、「愛ゆえに戦争は継続してしまう」ということです。
第二次大戦で特攻した人たちは本当は「お国」とかではなく、妻子や母を守ろうとしていたはずだし、またテロリストも、相当な憎しみや悲しみがないと実行は難しいと思うのです。
ガンダムで本当に悲しいシーンは、ジムの名もないパイロットが、死ぬ間際に「おかあさーん」と叫ぶシーンで、いまから20年以上前に、アニメでそこまでよくやったと思います)
悪意や陰謀や偶然で戦争が始まることもあるけど、一旦始まった紛争は、愛や悲しみによって継続するし、また、次の紛争を起こしてしまう。だからこそ悲惨である、とも思うようになりました。