JASRAC その2

JASRACに関して皆さん思うところ多いようで、はてなに日記書いたら、なんかいろんなところで読まれているようです。

ということで、自分が間違ったこと書いてるとまずいな、と思い使用料規定などを確認。
http://www.jasrac.or.jp/profile/covenant/index.html
(実際の規定はPDFなので公示ページをリンク)

うーむ。
使用料規定全文を読むと、思ったより安い料金もあります。
例えばBGM利用で、一般の店舗だと年額使用料6000円とかね。
(ただライブハウスとかJazz喫茶などの規定は高い上、過去にさかのぼって請求しているらしく、いろいろ問題になっている模様)

ただ、自分の該当にあたる「映画のBGM使用料」に関しては、やはり電話で伝えられた通りのよう。
ほかの手法としては、月間契約を会場におねがいして観客一人あたりの額にするとか。
しかし、いちアーティストの立場からすると、おねがいするのはあまり現実的でないのも事実。

どうもこの提示金額(1回の上映あたり240円)は、「60分〜90分の尺で一日の上映回数が5〜10本程度の劇映画」を基準にして料金設定してありますね。「イベント会場で短い尺の映像を繰り返し上映する」というのを想定していないように思える。

みなさん、展覧会とか博覧会で映像があったとき、何分くらい映像見ます?

僕の場合だと、映像作品でイスとかあったら15分〜30分は見るけど、展示会なんかだと2〜3分くらいが限界で。自分の場合はそれを基準に映像の尺を決めています。
まあ長く見れそうなコンディションで最長15分、条件があまりよくないときは3分とか。

例えば、万博の場合だと、僕の展示場所はマンモスラボの直前、出口の近くだったので事務局とも協議の上で「そこで人が滞留しないこと」とかも考えて2分以内の映像と決めました。(実際は1分40秒程度にしました)

そうすると1日の上映回数は13時間で390回、185日間だと72150回、入場料無料の基本料金最低額120円計算で865万円になる・・・ ぎゃ!
このように「フィルム映画基準」だと、上映回数が極端に増えて金額が非現実的になります。
料金に関してなんか自分が見落としているのかと思ったのだけど、料金表にはそれらしき記述は見つけられませんでした。(あと中部のJASRACの人に聞いたときも、特に訂正されなかった)

しかし、こういろいろリンク見ていると、JASRAC、本当に嫌われていますね。

個人的な見解ですが、JASRACが無くなればいいとか、不当にボッてるとかは思っていません。自分も作り手なので、音楽を作る人の権利も大事だし、尊重もしたい。

ただ、やはり「料金規定や使用条件などが世の中の実態とずれている」「本当の著作権者である、音楽の制作者・演奏者の意志が反映しにくい」 のは事実だと思うしそのことは結構問題だと思います。
たとえば「自分たちがライブ演奏したビデオをwebページで公開しちゃダメ」とかね(JASRAC のFAQにありました) 。 ちょっとそれはないんじゃないの、とか。

個人的には、JASRACの中にも「音楽を愛している人はいる」って信じたいし、実際いると思うんですよ。そんで音楽ってとても強い力を持っているから、彼らの仕事は、やりようによっては「世の中を幸せにすること」に対して大きく貢献できるはずなんで。
現状はさておき、可能性だけ考えてみたらすばらしい仕事じゃないですか。
だから、JASRACのなかの「音楽を愛している人たち」が本当に誇りをもって十分仕事を出来ないのが、一番の不幸のような気がしました。
・・・甘い?

とりあえず、私のほうからは以上です。